紅林公認会計士事務所



 H19年度の主な法人税関連の改正


減価償却制度

従来、減価償却は取得価額の95%までしか認められていませんでしたが、平成1941日以後に取得した減価償却資産は、残存価額が1円まで償却が可能となりました。

また、平成19331日以前に取得した減価償却資産については、未償却残高が5%に達した翌事業年度より1円になるまで5年間の均等償却ができるようになりました。

さらに、平成1941日以後に取得した減価償却資産について定率法の償却率が大きく変わり、従前に比べ早期に多額の償却を行うことができるようになりました。ただし、平成19331日以前に取得した減価償却資産については、定額法・定率法ともに従前の償却率で計算します。

平成1941日以後に資本的支出を行った場合には、取得価額に加算せず、新しい資産の取得とみなして計算されることになりました。

組織再編税制関係

合併法人が被合併法人の株主に親法人株式を交付する三角合併が可能になりました。

役員給与

損金算入が認められる定期同額給与の範囲が緩和されました。職務内容や地位の変更・企業の業績悪化等により給与が増減した場合、定期同額給与として損金算入が認められることになりました。

また、「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」の適用除外の条件が緩和されました。基準所得が1600万円以下(改正前は800万円以下)の特殊支配同族会社の役員給与は、損金算入が認められるようになりました。

特定同族会社の留保金課税

期末資本金額1億円以下の会社は留保金課税の対象から除外されました。

短期売買商品

短期売買商品は時価法により評価した金額をもって期末における評価額とし、時価評価損益を益金又は損金に算入することになりました。短期売買商品とは金・銀・白金等で、短期的な価格変動による利益を目的として取得した一定の資産に限られます。

低価法

棚卸資産の評価方法の1つの低価法について、原価法により評価した金額と比較する期末評価額を「再調達原価」(期末時において取得に通常要する価額)から「時価」(期末時における価額)に変更となりました。

繰延資産

創業費から創立費に、新株発行費から株式交付費に、社債発行費から社債等発行費(新株予約権の発行費を含む)に名称が変わりました。

また、繰延資産の範囲から、社債発行差金・試験研究費が除かれました。社債による収入額と社債の債務額との差額(従前の社債発行差金に相当する部分)は、償還差損益として、社債の償還期間にわたり月数案分によって損金又は益金に算入されることになりました。

 リース取引

平成2041日以降に締結する所有移転外ファイナンス・リース契約(リース資産の所有権が借手に移転されないファイナンスリース)は、「売買」として会計処理されることになりました。借手は、リース資産を資産計上し、リース資産の取得価額をリース期間で定額償却する方法で減価償却を行うこことになります。

なお、「売買」処理となることによって、リース契約を開始した事業年度に資産の譲渡があったものとされるため、その事業年度に総リース料にかかる消費税を認識することになります。ただし、リース料の内、金利、保険料相当額にかかる部分については契約においてその額が明示されている場合は非課税となります。


 租税条約関係の改正



日本・フランス租税条約の改正

平成2011日以降の配当、利子に対する源泉地国課税が要件及び税率ともに大幅に軽減されました。また、特許権等の使用料については免税となりました。


また、フランスから日本に派遣される者についてフランスの社会保険のみの加入が認められ、その社会保険料は日本での所得から控除することができることとなりました。

 日本・フィリピン租税条約の改正

平成2011日以降の配当、利子、特許権等の使用料に対する源泉地国課税の限度税率が引き下げとなりました。

一般の配当については25%から10%に限度税率が引き下げられ、親子間配当については持株割合の要件について25%から10%に引き下げられました。

利子及び使用料については一律10%に度税率が引き下げられました。

また、みなし外国税額控除(タックス・スペアリング・クレジット)は将来的には廃止しますが今後10年間は認められ、フィリピンの優遇措置により減免を受けた税金を納付したものとして日本の税額から控除することができることとなりました。



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